hiroshima appeals
HIROSHIMA APPEALS ARCHIVES
ABOUT HIROSHIMA APPEALS
FROM A DESIGNER THIS YEAR
2013 designer
亀倉雄策賞受賞いたしました。
2014 Award Winners Announced
hiroshima appeales 2013
「夏の陽のまぶしさ」

夏の陽のまぶしさは悲しみをともない、白い紙を前に筆を持ったらしぜんにこの絵になった。なん枚も描いているうちにさまざまな思いが押し寄せて、そしてこれ以上描けなくなった。
人は誰かに支えられ、誰かを思っている。人はそれがあるから生きていける。原爆は、一人の心に刻まれた、たいせつな人への思慕、恩愛までも奪うことは決してできない。
このポスターが、犠牲となった方、残された方のそれぞれの思いに寄り添うことができればと、心から願います。 
                               
葛西薫
Title: Natsu no Hi no Mabushisa
    (Glare of the Sun in Summer)

The glare of the sun in summer is accompanied by sadness. I picked up a brush in front of a white paper and drew this picture without thinking. Various feelings came to me while I repeated drawing, and then I could not keep drawing any longer. We are supported by somebody, and we think of somebody. That’s why we can live. An atomic bombing can by no means take our heart away from the yearning or affection for the people that we love. I deeply hope that this poster can accompany what victims and survivors feel.
Kaoru Kasai
葛西 薫 かさい かおる 
1949年北海道札幌市生まれ。

1968年文華印刷、1970年大谷デザイン研究所を経て、1973年サン・アド入社、現在に至る。
代表作にサントリーウーロン茶(1983年~)、ユナイテッドアローズ(1997年~)などの長期にわたる広告制作、虎屋のCI・空間計画、パッケージデザイン(2004年~)などのほか、サントリー、サントリー美術館、六本木商店街振興組合のCI・サイン計画、映画・演劇の宣伝制作、写真集の装丁など活動は多岐。

近作に、「建築を考える」(ペーター・ツムトア著/みすず書房)、「IRON STILLS―アメリカ、鉄の遺構」(半田也寸志 写真・文/ADP)の装丁、スポーツカーTOYOTA86の広告、TORAYA TOKYOの店舗計画、NHKみんなのうた「泣き虫ピエロ」の動画がある。

東京ADCグランプリ、毎日デザイン賞、朝日広告賞、講談社出版文化賞ブックデザイン賞、日本宣伝賞山名文夫賞など受賞。
展覧会=1984年「葛西薫とSONY」(デザインギャラリー1953・銀座松屋)、 1992年「‘AERO’葛西薫展」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)、 2007年「葛西薫1968」(クリエイションギャラリーG8、ガーディアン・ガーデン)など。
著書=「葛西薫の仕事と周辺」(六耀社)、「世界のグラフィックデザイン35 葛西薫」(DNPアートコミュニケーションズ)、「図録 葛西薫1968」(ADP)
東京ADC、東京TDC、JAGDA、AGI会員


2014 designer
hiroshima appeales 2014
井上 嗣也 いのうえ つぐや 
1947年生まれ。

1978年ビーンズ設立。アートディレクター、グラフィックデザイナー。
広告、音楽、出版、TVなどのアートディレクションの仕事。 写真とタイポグラフィの斬新なデザインワークでジャンルを横断した仕事を続けている。
日本プロ野球機構シンボルマーク「NPB」制作。

東京ADCグランプリ、東京TDCグランプリ受賞。日本宣伝賞山名賞。
井上嗣也作品集『INOUE TSUGUYA GRAPHIC WORKS 1981-2007』、『INOUE TSUGUYA GRAPHICS TALKING THE DRAGON』(リトルモア刊)。
東京ADC会員、東京TDC会員、JAGDA会員。
2012 designer
hiroshima appeales 2013
奥村 靫正 おくむら ゆきまさ
1947年12月4日 愛知県生まれ(2012年5月31日現在64歳)
東京都品川区在住

1947年愛知県に生まれる。1968年桑沢デザイン研究所卒業。1970年WORKSHOP MU!! の創立に参加、日本のロックミュージックの数々のアルバムデザインに携わる(はっぴいえんど・キャロル・サディスティックミカバンド・大滝詠一 等)。1979年ザ・ステューディオ・トウキョウ・ジャパン設立、この頃よりYellow Magic Orchestraのアートディレクターとして、アルバム、ポスター、映像、ステージ、コマーシャルなどのディレクションを手がけ注目される。また山下達郎、佐野元春、ムーンライダース、加藤和彦、チェッカーズ等のアルバムアートディレクションをおこなう。Y.M.Oを中心としたアートディレクションにより82年からADC賞を4回受賞。その他書籍に於いて、林真理子、村上龍、中沢新一等のブックデザイン。1985年より日本画の様式をとり入れたグラフィック作品を制作。1989年PCによるグラフィック作品の制作を日本で初めておこなう。1990年宮内庁より大嘗祭のための画家に選定され絵画をおさめる。1997年日本パリ文化会館「デザインの世紀展」ポスターを制作。近年では、2009年に福岡伸一「動的平衡」、2011年篠山紀信写真集 ATOKATA」のブックデザインをおこなう。他にも広告、ポスター、ブックデザインやステージデザイン、舞台美術等、多くのジャンルを手がける。著書として、gggBooks、アイデア(特集:THE STUDIO TOKYO JAPAN)、WORKSHOP MU!! 作品集などがある。女子美術大学芸術学部デザイン学科教授。東京ADC会員、JAGDA会員、東京TDC会員。

株式会社TSTJ
東京都品川区西五反田1-32-8 ぐれいぷハウス2F TEL 03-5434-8031

1947年   愛知県生まれ
1968年   桑沢デザイン研究所卒
1970年   WORKSHOP MU!! の創立に参加
1977年   ザ・ステューディオ・トウキョウ・ジャパン(TSTJ)設立
1982年   東京ADC賞/YMO コンサート ツアー「ウィンター・ライヴ1981」[ステージデザイン]
1984年   東京ADC賞/YMO写真集「SEALED」[エディトリアルデザイン][雑誌広告]
1985年   東京ADC賞/細野晴臣「S-F-X」[ポスター]
1986年   東京ADC賞/村上龍「POST・ポップアートのある部屋」[ブックデザイン]
1994年   桑沢学園第2回/桑沢賞
2003年   グッドデザイン賞 金賞[ブルーミング中西「CSL」]
2007年   ニューヨーク「The One Show」 デザイン部門金賞[女子美アートミュージアム「KIMONO」ポスター]
    桑沢学園第15回デザイン・オブ・ザ・イヤー賞[WORKSHOP MU!!] その他多くの受賞


2011 designer
hiroshima appeales 2013
遠藤 享 えんどう すすむ
1933年12月23日 山梨県甲府市生まれ 東京都渋谷区在住

1933年山梨県甲府市生まれ。1959年武蔵野美術学校(現大学)デザイン科中退。1962年桑沢デザイン研究所グラフィックデザイン研究科卒。版画や、近年ではコンピュータでイメージ表現した静けさのある独特の作品で著名である。その作品はドイツ、ユーゴ、ブルガリア、フィンランド等の世界各国で賞を受けており、大英博物館、サンパウロ美術館をはじめ、多数の美術館にコレクションされている。
1999年紫綬褒章受章。東京ADC会員、JAGDA会員。

遠藤享デザイン室 東京都渋谷区神宮前3-13-3 TEL 03-3478-1577

1933年   山梨県甲府市生まれ
1955年   武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)中退
1962年   桑沢デザイン研究所研究科卒
1980年   第3回世界版画展サンフランシスコ近代美術館特別買上賞
第14回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ美術館買上賞
1983年   日本版画大賞展優秀賞
1985/86年   国際美術展京都国立近代美術館賞、第6回ラハティ・ポスタービエンナーレ・オリジナル部門1位
1987年   講談社出版文化賞ブックデザイン賞
1988年   ドイツ国際カレンダー展最高賞及び金賞
1990年   文化庁買上優秀美術作品選出及び同展、NOVAM誌・国際カレンダー展グランプリ/ドイツ
1991年   インドBHAVAN国際版画ビエンナーレ・グランプリ
1992年   INTERPRINT LVIV国際版画展グランプリ/旧ソ連、イビザグラフィック第3位/スペイン
1992/94年   SDA賞最優秀賞(通産大臣賞)
1993年   ユーモアと風刺ビエンナーレGABROVOグラフィック部門第1位/ブルガリア
1994年   クラコウ国際版画トリエンナーレ特別賞
1995年   ノルウェー国際版画トリエンナーレ特別賞
1999年   紫綬褒章受章 
2009年   金の月桂樹褒章受章(ブルガリア外務省)、東京ADC殿堂入り
2010年   桑沢特別賞受賞


◎ 個展
サンパウロ美術館・山梨県立美術館他、ロンドン・フランクフルト・ヘルシンキ・ソフィア・ソウル・台北・東京等
◎ パーマネント・コレクション
海外/大英博物館・サンパウロ美術館・ワルシャワ及びクラコウ各国立美術館他、アメリカ・スペイン・ポーランド・ブルガリア・クロアチア・スロベニア・インド・オーストラリア・ウクライナ・イスラエル等各国公立美術館。
日本/文化庁、国立京都近代美術館等、国公立美術館9箇所。


主な作品

DROP OF WATER 1984

Adobe Photoshop 1991

EARTH CRISIS WOOD 1992

EARTH CRISIS WATER 1992

遠藤享 版画展 1992

LIFE 1994-A 1994

国際学生照明デザインコンペ14th 2000

国際学生照明デザインコンペ17th 2003
担当デザイナーからのメッセージ
『負の閃光』
2011年3月11日 福島原発事故発生!
その数日後、「『ヒロシマ・アピールズ』ポスター制作を」との連絡を受ける。僕はさっそく広島行きを決行、心の準備を始める。何か通常とは違う緊張感を持って、僕にとって三度目になるが、原爆ドームの前に立った。
瞬間的に福島第一原発の建屋崩壊状態の風景とダブってしまう中、カメラのシャッターを切った。基本的なデザインの方向性は、その時ほぼ決定づけられたと言える。
今まさに様々に論じられている、日本の核への危機感が自分をそうさせたのだと思う。表現手段として原爆ドームを素材として使用するというのは、実に安易な発想であり、陳腐なものになる可能性は大きい。が、僕はあえて難課題を自分に課す事を選んだ。
僕が試行錯誤しながら、『ヒロシマ・アピールズ』を制作しているのを見た6年生の孫が『あっ!これ原爆ドームだね!』と大声で叫んだ。さて、僕の表現から何が伝えられるだろうと考えつつ制作をした。

2011.5.30  遠藤 享